子どもの成長を見ていると、
「できるようになること」よりも、
「できない自分を受け止められること」のほうが
はるかに大切だと感じる場面があります。
毎日の保育の中で、私たちが大切にしているのは、
子どもが自分の気持ちや行動を肯定できる瞬間を丁寧に支えること。
その考え方や姿勢は、奈良の認定こども園の様子をまとめた公式ページでも紹介しています。
リンクはここだけにします。
では、本題に入ります。
■ 「できなかった日」こそ、心が育つ
子どもには、調子のいい日もあれば、
何もかもうまくいかなく感じてしまう日もあります。
・思ったように体が動かない
・友達と意見がぶつかってしまった
・がんばったのに結果がついてこなかった
そんな日は、胸の奥に
悔しさや情けなさ、恥ずかしさが渦巻きます。
しかし、その揺れ動く感情こそが、
次の成長につながる大切なエネルギーになります。
大切なのは、結果の大小ではなく、
その瞬間に子どもが何を感じ、どう向き合ったか。
そこを丁寧に受け止めることで、
子どもは「自分を嫌いにならない力」を手に入れていきます。
■ 自分を好きになるための“経験の数”
自分を好きになる力は、誰かに教えられるものではありません。
試して、失敗して、泣いて、笑って、
小さな経験を積み重ねた先に自然と育まれていきます。
保育者ができるのは、
そのプロセスに寄り添い、
子どもが自分を肯定できるきっかけをそっと差し出すこと。
「よくがんばったね」
「できなかったけど、挑戦していたね」
「悔しかった気持ち、ちゃんと伝わったよ」
その一言は、
子どもが自分を大切に思えるための土台になります。
■ “ありのままでいい”という安心感
保育の現場では、
人と比べる必要はありません。
歩き出す速さも、
言葉が増えるタイミングも、
友達ができる時期も、
すべて違っていて普通です。
大切なのは、
その子どものペースで歩いていくこと。
ありのままの自分を受け止めてもらえた経験は、
その後の人生で何度も子どもを助けてくれます。
だから保育園は、
子どもが“自分を肯定できる場所”でありたいと思っています。
■ 最後に
誰かと比べて勝つことよりも、
昨日の自分より少し好きになれること。
完璧にできる日よりも、
できなくて悔し涙を流した日のほうが、
心がぐっと大きくなることがあります。
その瞬間に寄り添えることが、
保育の仕事のいちばんの喜びです。
子どもたちが、
自分のことを好きだと胸を張って言えるように。
その一歩一歩を、
これからも一緒に見守っていけたら嬉しいです。