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初めての男性保育士さん

初めての男性保育士さん

率直な第一印象は「保育士さんとは思えない程厳ついな…」それが初めての感想であった。何せその保育士さんの風体ときたら頭は丸坊主、まだ春先で風が吹けば肌寒いと感じる季節でありながら、上は半袖のTシャツに下はジャージを膝までまくり上げている。にも関わらず額には少し汗の様な物が輝いている。うちの子は拒絶する事なく無事に1日過ごせるのであろうか等と一抹の不安を抱えながら先生の元に向かい初めての挨拶を交わした。その風体通り開口一番元気な「おはようございます!本日から宜しくお願いします!」と室内にいる他の子供達より元気な声で挨拶された。私と子供は若干気圧されながらも「おはようございます。本日から宜しくお願いします。」と挨拶を返し子供を預ける事となった。その日の夕方に子供を迎えに行くと教室からは賑やかな笑い声が聞こえてきた。子供に「初めての男の先生はどうだった?」と質問してみた所、「すごく楽しかったよ!」と満面の笑みでの返答が返ってきた事で私の心配事は杞憂に終わった。それからというもの日常生活はもちろん、運動会や遠足等のイベントでは男性というフィジカル面を生かし様々な場面において両手両足にはいつでも子供達がくっついていた。そんなパワフルな保育士さんとの年月はあっという間に過ぎ、卒園する頃には園児達だけでなく、保護者からも絶大な人気を得ていた事はいうまでもなく、今となって卒園アルバムを見直してもその中には保育士さんと子供達の笑顔が溢れていた。