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頑張って牛乳を飲むとかわいい花束をプレゼントしてくれた

頑張って牛乳を飲むとかわいい花束をプレゼントしてくれた

幼稚園の先生は真面目で曲がったことが嫌いな人です。いつもは優しいのに、最後までやらないとかなり本気で怒る先生でした。そんな先生を怒らせまいと、私は必死に頑張ったものです。ただ、冬になると、部屋のストーブで必ず牛乳を温めるのですが、生徒が冷たい牛乳ではかわいそうだと思うから温めてくれるのだと思います。でも、私は温めた牛乳が苦手でした。中途半端に温めた牛乳は生ぬるく、牛乳の生臭さをとても感じてしまうのです。なまぬるい牛乳は飲めないと伝えればいいのですが、せっかくのご好意を無駄にするのは悪いと思い、どうしても温めないでとは言えません。気づけば、もうストーブの上に置いてある鍋の中に牛乳が入っていました。真面目な先生は、「全て飲むまで遊べません」と言って、昼休みにも私を教室に1人だけ残して、外へ生徒と共に遊びに行ってしまいます。毎日牛乳を温めるので、毎日居残りです。もう虚しさと絶望感で先生のことが嫌いになってしまいそうになりました。そんなある日。私が全て飲めた時「よく頑張ったわね。これもあなたのためなのよ」と頭を撫でてくれたのです。それに、私の誕生日ということを覚えていてくれて、「今日は特別にいつも頑張って牛乳を飲んでいるあなたに」とかわいい花束をプレゼントしてくれました。他の生徒には内緒ねということ。やっぱり先生は優しくて、素敵な人だと思いました。それ以来、牛乳を残さずに飲めるようになりました。